製造工程図(ブロックフロー)の記事では、自宅でカップ麺をつくる工程を例に、製造工程図を作成しました。
今回はこの製造工程図をもとに、危害分析をしてみます。危害分析は各工程ごとに想定される健康危害を、①生物的、②化学的、③物理的の3つの切口で列挙していきます。そして想定した危害の中からCCP(重要管理ポイント)を設定していきます。
ポイントと流れは以下の通り
- 予想される危害(ハザード)は全て列挙する。
- ハザードを生物的、化学的、物理的に分類する。
- 列挙したハザードが、今ある管理方法できちんと防げるかどうかを見極めて、重大性の有無を評価する。
- 重大としたハザードを防ぐための管理方法を決める。
- その工程をCCPと決める。
製造工程図と危害分析の過程を、「カップ麺をつくる」を例にして説明しました。
今回の事例では、工程5の加熱・沸騰工程をCCPとしました。仮に飲料水や原料に病原性微生物が混入していた場合、この工程で殺菌する必要がありますが、予期せぬ突発的なコンロの異常があった場合(日常点検はきちんと行っている前提)、重大なハザードとなる可能性があります。
このように、危害分析からCCPを特定していきますが、ここでとても重要になるのが、CCPに特定しなかった「重要性はない」と判断した項目です。なぜなら、HACCPの土台となる一般的衛生管理というものが存在し、これがきちんと機能していることを前提に、「重要性はない」と判断したからです。蛇口からの錆の持ち込みや、環境からの異物混入は、普段からメンテナンスや掃除をちゃんとしているから、としました。
この、HACCPの土台となる一般的衛生管理については別の記事で詳細を語ります。
この記事へのコメントはありません。