CCP整理表を作成しよう
前回までに、製造工程図の作成手順と危害分析の進め方について説明してきました。危害分析では一般的衛生管理で回避することができない危害についてCCPに特定しました。HACCPの導入において一番の肝になるのが、特定したCCPをどのように管理していくかを決めることです。決めることは、①モニタリングを誰が、どのような方法で、どのような頻度で行うのか、②異常時の処置を誰が、どのような方法で行い、何をもって再開させるのか、③プランの検証は誰が、どのような頻度で行うのか、④記録文書名は何か、などの項目です。これらを整理したものを、CCP整理表といいます。今回もカップ麺の調理を例にCCP整理表を作成しました。
CCPではCL(クリティカルリミット)を設けます。CLは管理限界点であり、今回であれば80℃が管理限界点であり、連続的に温度をモニタリングし、80℃を下回った際には、予め決められた改善措置を講じることになります。改善措置は、①原因の追究と改善、②異常品の処置、について決めておきます。今回であれば、コンロの修繕とお湯の廃棄です。CLを逸脱した場合には、きちんと改善措置を記録することです。これはとても大事なポイントです。
検証とは、HACCPプランが決められた通りに進められているかどうかを、記録をもとにチェックすることです。モニタリングや改善措置は現場の作業者が行うのに対し、検証は職場の管理者が行います。改善措置の手順に間違いは無かったか、モニタリング温度に異常の見落としは無かったか、温度計が定期的にきちんと校正されているか、を確認します。
そして最後に記録文書名の明確化です。モニタリング温度や改善措置などの記録を残す文書名は何かを明確にします。行政の査察時にはこれらの記録文書のチェックが入ります。先ほどの検証と同じように保健所の監査員がチェックをしていきます。そして、これらの記録文書には保管期限を設定する必要があります。3年保管が基本です。記録文書は1年ごとに文書名毎に専用の段ボール箱に保管し、4年目に入った文書については、専用業者に廃棄を依頼します。文書名毎にきちんと保管しておくことで、行政の査察時の対応もスムーズに行えます。
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