HACCP導入の工程はざっくり言うと以下のとおりです。
- チームの結成
- 製品説明書の作成
- 製造工程をブロックフローでチャート化
- 危害分析
- CCPの特定
- CCPの管理手法の特定
厳密には12手順7原則という導入プロセスがありますが、大まかな流れはこのようになっています。
チームを作り、製品説明書を作る、という工程はそれほど難しくありません。難しくて、一番時間をかけてチームで考えなきゃいけないのは、ブロックフローの作成と危害分析である、と私は考えています。なぜなら、危害分析の工程で、想定される危害に抜け漏れがあれば、システムそのものが全く意味のないものになってしまうからです。
ブロックフローの作成
これはその事業者や会社のメンバーにしか作成できません。私のような外部の人間では、その製品の製造工程の詳細が分からないからです。どのような原料がどのような条件で調合されて加工され包装されているのか。製造工程で発生する規格外の仕掛をどのように処理しているのか。有識者が抜け漏れなく製造工程を見える化し、ブロックフローという見える形に仕上げていきます。
危害分析
ブロックフローをもとに、食品が出来上がるまでの各工程で起こり得る危害を洗いざらい見える化します。危害は次の3つの観点で考えていきます。
- 生物的危害
- 化学的危害
- 物理的危害
生物学的危害は微生物汚染のことです。機械の洗浄不良で残渣が残り、微生物が残存・増殖する可能性はないかを考えます。化学的危害についてはけっこう多岐に渡りますが、よくあるのが洗剤の残留や農薬、抗生物質の残留などがあげられます。洗浄後のすすぎ工程の不良で、洗剤が残留することがないか、などが考えるポイントになります。物理的危害は異物混入のことです。フィルタの破損や付け忘れで異物が混入しないか、などがポイントになります。
HACCP導入においては、このブロックフローの作成と危害分析の工程に多くの人と時間と知恵を投入する必要があるのです。
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